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カテゴリ:僕の家事論 の記事一覧

小規模組織は全員がマルチプレイヤー

昨日、NHK「サラメシ」を見ていたら(この放送回)、
埼玉県和光市の「巻きチョコ」製造会社
(たぶん「チョコレートショップたちばな」だと思います)
が紹介されていました。

働く人の大半が子育て中のママさん達。
そして、オモシロイのが仕事のローテーション。

全員が各工程の持ち場を
1時間毎にグルグル交替するシステム。


子育て中のスタッフが多いとと、
どうしても子どもが病気したとか行事だとかで、
抜けるスタッフが出てくるわけです。

そこで誰が抜けても埋め合わせができるように、
全員が全工程の持ち場を担当できるように、
グルグルと回るシステムになっていると紹介されていました。

これはイイ!

例えば、家庭で、
お父さんは洗濯と掃除、
お母さんは料理
のように完全に分担しているとします。

お父さんが出張したら、洗濯は誰もできない
お母さんが残業したら、料理は誰もできない

これではタイヘン。

多くの家では、こんなことにならないように、
たいていお母さんが全家事をカバーできることを前提にしています。
こうなると、お母さんはお父さんの都合で残業できたりできなかったり。

核家族化がすすみ、家庭内で家事できる人の数は、もともと減っているのに、
未だに一人しか全家事をカバーできていないのは問題。

「チョコレートショップたちばな」のように、
複数の人が全工程を担当していると、
一人になにかあっても、他の人がカバーできます。
せっかく複数の人がいるのなら、全員が全家事をカバーできるようにしておくと、
危機管理になります。柔軟に対応できます。

小さい組織ほど、全員がカバーできることが強みになります。
誰かがいっときでも、欠けないことを前提にするというのは、
とくに小規模組織の場合、無理がきます。

家庭でも、
全員参加の全家事カバーが安定するし、
なにかあっても大丈夫という安心にもつながります。
安心があればこそ、ココロのゆとりももてるというモノです。


 

活躍推進は女性だけでいいのか?

「女性の活躍推進」についてです。

もちろん、女性が活躍するのはいいこと。どんどん社会で地域であらゆる場面で活躍して欲しいです。

とはいえ、
ふと、男性は活躍してるんだろうか?
女性から見ると、男性は活躍してるように見えるのだろうか?

通勤している男性の大半は、疲れきってるように見えます。
活躍推進のゴールが、疲れきってる姿ではないはず。

ここは働き方を変えることで、男性も元気に、女性もイキイキ活躍といきたいところ。

でも、男女だけの活躍でイイのか?
若い人も高齢の人も、病弱な人も、子育て中の人も、介護中の人も、障がいのある人も、都会の人も山村の人も…

と考えると、
みんなが活躍できる!が大事。
これでないと!
ダイバーシティ(多様性)が大事!

男女という区分だけで、活躍を推進するというのは、「縦割り」的ですね。

…という話が、行政の会議で出ました。
いくつかの地方自治体の審議会に参加していて、すこしずつではあるけど、変化は感じているし、変化させないと!と思って参加してます。

 

ご近所でシェア

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庭にある排水マスから水が溢れ出し、その対応にドタバタしたここ数日。原因は、排水管が油と洗剤カスで詰まっていたこと。流れきらない水が逆流して、排水マスから溢れ出したのでした。

なんとか自分で解決しようとケルヒャーの高圧洗浄機を買いました。排水管の洗浄を自分で試みたモノの、正体不明の壁に当たり断念。家を設計&施工した業者に電話してプロの業者にお願いしました。その辺りのいきさつは、もう一つのブログに詳しく載せています。

ところで、せっかく買った高圧洗浄機。今日は玄関周りをシャーッとキレイにしてみました。黒ずんでいたコンクリートや敷石が、アッという間に白くなる!ついでにお隣さんの前もシャーッと。

キレイにしてくれるこの高圧洗浄機。でも、365日使うわけじゃない。同じくケルヒャーの窓用バキュームクリーナーもあるし、スティックスチームクリーナーもあるけど、これまたどれも毎日使うわけじゃない。

こんな年に数回使うか使わないか程度のものはたくさんある。例えば、枝切りばさみ、芝刈り機、空気入れ、電動ドリルなどの工具、脚立、たこ焼き器、スーツケースなどなど。どれも、全部自分で買って所有しようとするとかさばるし、収納場所に困るし、なにより金がかかる。

だったらご近所でシェアしてはどうでしょう。

「ウチはコレとコレを貸し出せます」
「ウチはコレとコレとコレ」
というように貸し出せる物品情報を交換すると、ギブ&テイクでかなりの物品が充実するものです。逆に「誰か★★を貸してもらえませんか?」というのもありです。

使い方や片付け方が気になって、他人にモノを貸せない人もいますが、反対にあんまり気にならない人もいます。気になる人でも、「枝切りばさみくらいなら気にならない」という場合もあります。一度、貸したものの、やっぱり気になるという場合もあるでしょうし、借りて使ってみたら便利だったから、「それならウチも」という場合もあるでしょう。

何でも自分で持つ方が自由で便利。だけど、場所もお金もかかる。たまにしか使わないモノなら、シェアする方がずっと効率的。たまには、自分が使いたいと思う時に使えない時があるかもしれないけど、それはお互いさま。人の交流が難しい時代ですが、お互いさまという気持ちがあれば、物の共有はそんなに難しいことではないと思います。

高齢になると、雪かきや台風の片付け、庭木の選定や家の前の掃除など、なにかと「人手」を借りないといけなくなるかもしれません。そうした時に、物の貸し借りで築けた関係は、きっと助けになるはずです。少し長い目でみても、物をシェアする経験は、これから先で活きてくるのではないかと思います。

人の交流から物の交流、物の交流から人の交流。どちらからすすんでも、豊かな暮らしになるような気がします。

 

家事デビューを見守るこの差はなんだ?

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先日の大泉町での講演前に、地元の団体会長さん(熟年女性)と話していて、こんな話になりました。
 
「最近、夫がね…『料理やるよ』『家事手伝おうか?』って言ってくれるようになったんですけど、つい『ジャマだからイイ』って答えちゃうの。実際、やってるのを見るとイライラしちゃって…これが孫なら、モタモタしてても許せるのに…なんでなんでしょうねぇ?」
 
と。これ、あっちこっちで伺います。
この差はなんなんでしょうね?
期待値の高さ?
対等感ゆえ?

最近、男性の家事参画に対する、女性側の動きにも注目してます。

1.夫でも孫でも歓迎!
2.夫歓迎!孫イライラ
3.夫イライラ、孫歓迎
4.夫イライラ、孫イライラ 

いろいろあると思います。

女性の職場進出にも、同様の歓迎&イライラが男性にあったのだろうか?有能女性社員にはイライラだけど、キャピキャピ女性社員は歓迎とか?

三世代同居は家事時間を短くするか?

泉大津市での講演の後片付け中に、講演の中で紹介した、「山形県はお父ちゃんが8位の長さのおかげか、お母ちゃんの家事育児時間が日本一短い」について、「山形県は三世代同居も日本一ですから、お母さんの家事育児時間が短いのでは?」と指摘を受けました。さっそく家に帰って、三世代同居率とお母ちゃんの家事育児時間の関係を調べてみました。

その結果…

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山形県や富山県、福島県のように、三世代同居率が高く、お母ちゃんの家事育児時間が短い県がありますが、

一方で、三世代同居率が高いのと同時に家事育児時間も長いという福井県、岩手県、島根県、岐阜県、長野県のような例も(表の中の水色県)ありました。もしかすると、ジジババ世代の分の家事(介護?)も引き受けているのかもしれません。

全体をみると、三世代同居とお母ちゃんの家事育児時間とは関係ないことがわかります。

注目したいのは、三世代同居率が低く、お母ちゃんの家事育児時間も短い沖縄県、愛媛県、大分県、石川県のような例(表の中のピンク県)。お母ちゃんの効率家事が進んでいると考えられます。

共家事は夫婦限定ではないので、三世代同居による共家事もアリですし、核家族で夫婦が共同するのもありです。「日本一の楽家事県民…それは!」で示した夫の分担率を絡めて分析すると、三世代同居プラスお父ちゃんも参加する「全員参加型」の共家事日本一の山形県、核家族で夫婦共家事型の共家事2位の大分県が見えてきます。共家事県の1位と2位にも実はこんな違いがあったのです。

中には、三世代同居でお父ちゃんが短い「祖母ちゃん母ちゃん家事育児型」もあるでしょうし、核家族でお父ちゃんが短い「お母ちゃん孤軍奮闘型」もあるはずです。

いずれにしても、家事時間データはオモシロイです。いろんなコトが見えてきます。
 

日本一の楽家事県民…それは!

先月末に、ブログ「データえっせい」で夫の家事・育児分担率という記事が掲載されました。「幼子がいる共働き夫婦の家事・育児時間」という非常に興味深いデータから、「夫の分担率」というさらに興味深いデータを導き出していました。

これによると、夫の分担率は、東高西低傾向。とくに関西勢は下位13位までに、三重県も含めた関西2府5県全てが含まれる低調ぶり。一方山形県、秋田県、宮城県、岩手県という東北勢4県が上位8位に入り込む健闘ぶり。これらだけでも十分おもしろいデータなのですが、さらにこのデータからいろいろ分析してみました。

楽家事の要素は二つ。
一つは省力化、もう一つは共同化。

この両方をみるために、夫の分担率と夫婦の家事・育児時間の合計を各部門で検討しました。
その結果、

「夫の分担率」
(高い順)              (低い順)
1位 島根県(22.4%)       1位 大阪府(6.7%)
2位 山形県(22.1%)       2位 和歌山県(7.9%)
3位 秋田県(21.2%)       3位 福岡県(8.6%)
3位 宮城県(20.7%)       4位 三重県(9.1%)
5位 埼玉県(20.2%)       5位 滋賀県(9.8%)

「夫婦の家事・育児時間の合計」
(多い順:時間)          (少ない順:時間)
1位 埼玉県(480)        1位 石川県(286)
2位 広島県(451)        2位 福岡県(302)
3位 宮城県(450)        3位 山形県(303)
3位 徳島県(450)        4位 愛媛県(307)
5位 島根県(442)        4位 大分県(307)

一つ問題があって、育児時間が短いことを良く評価していいのかどうかという点があり、必ずしも「夫婦の家事・育児時間の合計」の少ないことが、省力化できていてよいと評価しづらい面があります。

あえてこの問題点を捨象したうえで、共働き夫婦世帯における、省力化と共同化という面で見ると、

楽家事 一番は山形県

となります。

家事の総量を効率化して減らし、その減った家事を夫婦共同で行う。イザという時でも、最小限の時間で家事が回せるシステムができていることになります。山形県の

次点は、大分県

を上げておきます。大分県の夫分担率は、5位の埼玉県に次ぐ6位(19.9%)でした。

このデータで注目した、もう一つの数字。それは妻の家事時間格差です。最長の広島県(394時間)と最短の山形県(236時間) という158時間もの差があることです。これは次回詳しく。
 

共家事には展開段階がある!それを知れば「家事ハラ」「共家事トラブル」は回避できます

共家事には展開段階があります。どういう過程を経て、最終的にどうなると落ち着けるのか?その道筋がわかっていれば「家事ハラ」「共家事トラブル」の大半は回避できます。

昨今、「家事ハラ」という、あれもハラスメント?という「共家事トラブル」についての話題をよく目にします。僕は、例え「子ども以下」と批判されようとも(参照:東洋経済ONLINEの堂園さんの記事)、家事ダメだしで折れる夫がいるということが表に出たことや、「お手伝い感覚」「(あの程度で)やってやってる感覚?」な女性からの意見(例えば、Yahooニュースの治部れんげさんの記事)が表に出たこと、それぞれの思っていることがドンと表に出たこと、それ自体は一歩前進とみています。「当たり前のことが記事になっただけで、なにが前進?」という進歩的な方もいます。ですが僕は、当たり前のことを、いろんな人が立場や事例を変えながら、何度も何度も繰り返して語り続けることで、本当の当たり前になると考えます。当たり前は放置しているだけでは、当たり前にならないのです。

ところで、いろんな意見が出ることには一歩前進と思える僕ですが、やはりこのトラブルの見通しやゴールを誰かが示さないと、また同じ問題を繰り返してしまうと思います。「やり方が違う!」「ヘンなことしないで!」「なんでダメなの?これでイイやん!」という共家事トラブルに接して心が折れたり怒りを感じても、それがゴールへの道筋からは外れてなく、それを誰しもが経験する通過点とわかっていれば、なんとか落ち着けるものです。

まずはじめにゴールです。家事共同の目指すべきゴールは、お互いのやり方やアイデアを持ち寄り、良いやり方を選択して、一人でやるよりも、二人でやる方がアイデア2倍で手間半分という状態になることです。社会学で使われる、ダイバーシティ(diversity)という多様性を認め受け入れていく状態です(ここでいう、ダイバーシティは正確にはdiversity and inclusionです)。

このダイバーシティ形成モデルを参考にすると、このゴール地点である4段目へたどり着くためには、3つの段階を通過することになります。

まずは抵抗段階。
「勝手にいじらないで!」「ここには入ってこないで!」という言葉が出る段階です。玄関先であっても、街角であっても、職場であっても、自分(達)の領域に見慣れぬ他者が入ってくると、まずは様子見的に抵抗します。実際に、抵抗行為を示すかどうかはともかく、抵抗マインドをもつのは自然な防衛反応。

それは家事領域でも同じです。どんな家事をするのかもわからない人です。もっといえば家事できない人かもしれません。わからないことに対して、「散らかされるかも」「汚されるかも」「決まった場所に戻してくれないかも」、あるいは「手抜きがばれるかも」など、いろんなメンドウや不安を予想して抵抗するのは自然な対応です。その予想が当たるか外れるかは別問題です。

次にやってくるのが同化段階。
とりあえず、差し当たっての問題がなさそうなら、領域に入ることは認められます。ただし、自分(達)と同じように振る舞うこと、自分と同じように結果を出すことを求められます。「女性を採用したが、子どもが病気だといってはすぐに休んだり早退する。これでは使い物にならない」という男性の意見はまさに同化段階の典型です。

家事においても同様のことが起こります。「やるなら私と同じように片付けて!」「そうじゃない!こうやってきたの!」「なに?この味!」という言葉が出る段階です。

共働きで子どもも小さくて核家族。「あなたは家事しないで!」などと悠長なことを言ってられない場合は、この同化段階からスタートする場合もあります。同化には、「もしかしたら、自分と同等に結果を出してくれるかもしれない」という淡い期待も含まれます。

しかし現実には、最初の抵抗段階をスッ飛ばしたものの、同化レベルではないとわかるや、「もう、勝手にやらないで!」「私の通りにできないなら、やらなくていい!」と抵抗段階に逆戻りするパターンが多く見られます。少しばかりの期待の裏返しとも言えます。CMで流れた「家事ハラ」は、この同化と抵抗(期待とガッカリ)のネガティブ無限ループに陥っている場合に、見られる現象です。

家事は多種目による総合作業です。洗濯は同化できても、料理はそのレベルに達しないこともあります。別人格の人間が関わることですから、家事のあらゆる種目で許容範囲に届くというのは難しいところです。同化の基準となる先行者に得手不得手があるように、後発者の得手不得手もあり、なかなか家事全般での同化達成は難しいのです。

そこで、その次にやってくるのが分離段階。
得手不得手があるのを逆手に取り、「私は料理、あなたは掃除」「掃除機は僕、収納は君」というように、家事分担、家事分業の段階に入ります。前述の「抵抗」と「同化」のネガティブサークルに陥っている場合の突破口として、僕がセミナーで「まずは後から参入した人の方でもできる(やる気があったり、得意な)家事領域から任せてみる」こととススメるのは、この「分離」段階に誘導する狙いです。

分担すると、いろいろなことがその作業をする人の専用仕様になります。物はその人の扱いやすい高さに揃うし、その人が片付けやすいように片付けられます(片付けないという選択肢も?)。その人に都合のいい時間やペースで行われるようになります。専門化し守備範囲を狭くすれば、熟練も早くなります。それに伴って効率的もされます。最初は時間のかかっていたアイロン掛けも、そればっかりやっていれば、少しずつでも短時間でできるようになるだろうし、同じ手間ならよりキレイに仕上げられるようになるはずです。

「男は仕事、女は家庭」という性別役割分担も分離の一形態かもしれません。家庭面での専従者がいればこそ、仕事に専念でき、長時間の残業もできるし、長期出張も単身赴任も可能になります。長い時間働けることと収入増加がダイレクトに繋がるような仕事の場合は、今でも仕事と家庭の分担受け持ちの方がメリットが大きい場合もあるでしょう。

この分離段階(つまり家事分業段階)は、効率の良さと同時にお互いのやっていることに口出ししない(されない)ので、共家事トラブルから解放されるメリットがあります。ところが、この家事トラブルから解放は、同時に分離段階の限界を作ることにもなります。自分の良いところは出せたとしても、所詮一人作業。一人で思いつくことや一人でできるカイゼン、一人で出せるアイデアには限界があります。「岡目八目」という言葉があるように、横から見ていると、時として、それに取り組む本人以上に「なんで、あんなメンドウなことしてるんだろう?」「こうしたらもっと楽なのに」「こんな道具があるのに」と気づくものです。ですが、口出しは共家事トラブルの原因にもなりかねません。このように、分離のままでは、せっかくのアイデアや気づきが活かされません。そこで次の段階への移行が望まれるようになります。

最後は統合段階。
最初にも述べた「一人でやるよりも、二人でやる方がアイデア2倍で手間半分」という状態です。

この統合段階の話の前に、少し話を戻します。分離段階で家事を分担分業する際に、いくら対等にわけるつもりでいても、たいていは先から家事をしている人の方が広い範囲を受けもち、後から加わる人は部分的な受けもちになります。日々必要な家事は降って湧いてくるので、後発者が技能を習得するまで待てないからです。最初は狭い範囲の受け持ちであったとしても、分離段階においても少しずつできる範囲を広げていく努力が必要です。

なぜなら、今日のような核家族が主流になると、バックアップ人材が限られるからです。心身の調子が悪い時や忙しい時でも、自分の役割を果たせるようにするためには、熟練と同時に省力化をすすめていく必要がありますし、同時に「もしもの時」でも困らないように、バックアップ人材を確保して一通りの家事ができるようにしておく必要も生じます。「もしもの時」は金で解決するのも一つの手段ですが、長期的になった場合や不具合が重なった場合なども想定すると、身近な人によるバックアップ人材の確保の方が確実でしょう。これは中小企業でも同じことが言えます。全体の様子を共有しておかないと「いざ」という時に困ります。

お互いに一通りの家事ができ、そのうえで得意領域や好きな領域を活かせるような配分をしたうえで、「これ、使ってみたらヨカッタよ」「こうしたら速く片付いた」などのカイゼン情報をやり取りしノウハウを積み上げていく。こうなると、おそらく一人よりも二人の方が、二人よりも三人の方が知恵も工夫も集まります。統合段階は、まさに「三人寄れば文殊の知恵」状態です。この状態になるには、条件として対等な会話が必要です。「こっちのやり方にあわせなさい」という同化段階の会話とは違う、対等な会話でないとお互いのオイシイところ取りができないからです。

今は、「家事ハラ」や「手伝い感覚」にガックリしたりイライラしたりすることがあるかもしれません。ですが、その共家事トラブルが、4つの段階のどこで起こっているかを把握することができれば、きっと打開策も見付けられるはずです。共家事トラブルを乗り越えて、ゴールである統合段階に至ることができれば、きっと仲の良い家族が誕生していることでしょう。アイデア2倍で手間半分にできる関係は、同時に楽しいことは2倍にシンドイことは半分にシェアできる関係ですから。

--(追記)--
上で示した、抵抗→同化→分離→統合という展開のオリジナルは、谷口真美著『ダイバシティ・マネジメント―多様性をいかす組織』白河書房(2005年)のP239〜です。谷口氏は企業の戦略としてD.Thomas & Elyの「同化、分離、統合」とDass & Parkerの「抵抗」をまとめ、「広義の『ダイバシティ・マネジメント』とは、抵抗、同化、分離、統合の4つのパラダイムをすべて含む活動を言う。(P263)」と定義づけています。僕は、これを家庭内の家事共同でも応用できると考え参考にしました。家庭も一つの組織です。そのマネジメントに多様性があるかないかは、その組織の発展や衰退に関わる要素といえます。経営学から参考にできることは、たくさんあるはずです。
 

ヘーベルハウスの「夫本」「妻本」「実例集」を手に入れた

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「家事ハラ」で物議を醸したヘーベルハウスの「夫本」「妻本」手に入れました。そもそも「家事ハラ」のCMやサイトは、ここへの誘導だったわけですが、果たして成功してるんだろうか?というマーケティング的な心配(お節介?)はありますが。

「夫本」「妻本」の中身は、「共働き子育てライフが10倍楽しくなる」というサブタイトルの通りの住宅や設備の提案本でした。両方とも終盤に二世帯住宅への提案がありました。結局、そこかよ!と思わずツッコンでしまいましたが、住宅関連企業ならあり得る持っていき方でしょう。しかし、仮に共働きと子育てが10倍楽しくなるかもしれませんが、介護リスクを抱えることには触れてませんでした(当然か)。

「夫本」「妻本」ともに、最後に「今日からできる!ママのゴキゲンが急上昇する(パパが家事に前のめりになる)マル秘テクニック」という袋とじのページがあって、週刊誌の袋とじ記事のような、どことなく禁断感が湧いてくる企画ページも。

内容は「夫本」では「スイーツを買って帰る」「言われる前にやる」「ママに自分時間を」「最後はねぎらいとお礼」(「妻本」では、「よいしょ」「プライドを刺激」「ダメ主婦のフリ」「最後はねぎらいとお礼」)でした。これを読んで「そうか!」「今日からやろう!」と思うか、「そんなのやってる!」「それができたら苦労しない!」「アホらしい」かは人それぞれでしょう。

一緒に送られてきた「実例集」ですが、キッチンや洗濯機の前には女性がおきまりのように立っていて、「夫本」「妻本」との内容の連携はなさそうでした。同時期の発行物で整合性が確保できるような、プランナーなりアドバイザーを付けた方がイイと思います。

僕の実感からいうと、「共家事しやすい家」はあると思いますが、それを建てても、本当に共家事するかどうかは別問題だし、共家事しているから10倍楽しい生活ができているかというのも、これまた別問題。効率の良い収納スペースやら、子どもの様子を見ながら料理できるリビング&キッチン配置や、夫婦で一緒に料理できるアイランドキッチンを備えた家を建てながら、その1年後に離婚したカップル知ってますし。逆に、明らかに構造上の不便があったり、改善の余地が大アリな家でも、一緒に工夫して共家事しているカップルもいるし(たいてい仲良い)。中身は箱とは直接関係しないと思います。箱もあり、中身もあれば最高なのですが。
 

理科離れは家事退行も引き起こす?

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まずは「自然や科学」という括り方に「これでエエのか?」と一瞬思ったのは置いておくとして…。

生活の中には、物理や化学、生物、地学の要素が溢れかえっているし、企業や事業体の活動はそれと無縁ではない。だけど、それを忙しすぎる高校生が実感する機会が少ないのは確かかもしれない。溢れかえっている実感なく、受験のためだけに理科を勉強しているとしたら、これはとってもモッタイナイ時間と労力を使っていることになる。

記事に「文部科学省は理数系の教育に重点的に取り組む『スーパーサイエンスハイスクール』を全国で200校余り指定するなど、科学技術立国を支える人材を育成しようと取り組みを進めています。」とあるが、そっち方向だけではなく、もっと広くベタな生活経験を積ませることも必要だ。

誰だって同じ材料なら、美味しく料理して食べたいと思うもの。肉を美味しく焼くことと細胞の構造は無縁ではない。ケーキやビスケットを焼くと、粉といくつかの材料だけであんなに膨らみ、しかも美味しくなる!そもそも美味しさとはなんだ?!という科学もある。ダイエットやトレーニングは生物の問題だ。掃除と洗濯は、ほぼ全部が物理と化学で説明できる。日常生活には科学があふれている。これにチョッと気づく機会があればイイだけだ。

子どもの家事機会の減少が理科離れを広げているのかもしれない。理科離れが広がっているということは、いずれは家事退行(家事停滞)も覚悟しないといけないだろう。

僕は、人類は理科と社会の中で生きていて、それを数学や言語を使って探求し交流し、よりよい社会を作っているのだと捉えている。その実感を子ども達に与えられていないのは、大人の責任だ。

もう一つ、大切にしたいのは「学び直しの機会」だ。「学校の勉強なんてしなくても生きていける」と生きてきた大人が、「やっぱり勉強って必要だ!」と思った時に、学び直しの場があるか?というと、なかなか難しい。定時制学校もどんどん減っている。ネットの発展で、通信制教育の敷居は低くなったが、それでも人から直接学べるエネルギーまでも届けられるシステムになるには、もう一歩!な気がする。大人が学び続ける姿は、子ども達に刺激を与えるはず。「大人になれば勉強しなくてイイ」と思いながら学校に通っているとしたら、「社会に出たら理科は必要なくなる」と答えるのも納得だ。

 

記事の見出しはこれでよいのか?

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旭化成ホームズの「共働き家族研究所」の共働き夫婦の家事に関する意識調査といえば、男性女性変革派保守派の各方面から非難囂々だった「妻の家事ハラ白書」のもとになった調査。

実際の白書は、「家事ハラ」部分は調査全体で見ると全体の中の一部にすぎなません。全体的には、共家事夫婦の意識や共家事トラブル、そこから共家事しやすい家づくりの基本知識に誘導する内容です。

今回の毎日新聞2014年8月12日朝刊の記事では、「家事ハラ」という言葉は使われていません。その点では、調査紹介の記事として騒動の後ならではの間がします。しかし、「夫おだてりゃ家事やる気」「少々下手でも我慢して」という見出しは、実際に家事をしている男性やジックリ家事育成している妻に失礼で、この記事こそ「家事ハラ」ではないかという気もします。署名のない記事なのでどんな人がまとめた記事かもわからないですが、家事しない男性記者(あるいは夫の家事に期待できない女性記者)からみると、こういう見出しになるのかもしれません。僕は配慮に欠ける見出しだと感じます。

育成は難しい。ですが、これを乗り切ることで、妻の人材育成能力は大きく成長する可能性があります。教師をしている友人の話では「私情が入らない分、他人の子の指導の方が、自分の子よりも上手くいく」面もあるようです。社員の育成の方が、夫よりも簡単かもしれません。ということは、夫の家事育成ができるということは、社員の育成は朝飯前?

また、夫の方が難しい、とはいえ相手のパーソナリティーがわかっていて、しかも自分たちの生活に直接関わる家事人材育成です。ゴールの明確化、プロセスの「見える化」、共同化に併せた省力化、適切な支持など、家庭での育成には職場で使える育成ノウハウがたくさんあります。

そういう点から見ると、見出しの

「夫おだてりゃ家事やる気」を「新入社員おだてりゃ仕事やる気」に
「少々下手でも我慢して」を「少々仕事できなくても我慢して」と

入れ替えてそれが職場で通用するでしょうか?僕が配慮に欠けると感じたのは、こういう点です。