岐阜県高山市で講演しました

岐阜県高山市でワーク・ライフ・バランス講演をしました。一日2回の講演というのは、これまでにも経験がありますが、同じ市内の同じ主催担当さんで2回するというのは初めてでした。午前中に料理教室、午後から講演というのはありましたが、講演&講演は初めて。
一つ目は、朝8時半からの市役所幹部ミーティングでの早朝講座の講師でした。
前日の深夜2時と5時代に震度4の地震があった高山市。現地まで行けるかどうかすら問題でした。「ワイドビューひだ」は無事に動いてくれましたが、その後も何度も余震があり、道路にひび割れができたり、貯水池の水が濁ったりしたらしく、月曜朝の幹部ミーティングはバタバタしてました。
結局、市長さんは欠席のまま30分の講座を話しきりました。落ち着かない雰囲気の中で、それでも関係の深い部署の方達はメモをとったりしながら、聞いてくれてました。質疑応答の時間に「ワーク・ライフ・バランスは大企業や役所のような所の話で、中小企業なんかだとそこまでの余裕はないんじゃないか?」という指摘を受けました。
育児休暇の取得などは、中小企業の場合たしかに難しいと思いますが、人数が少ない中小企業だからこそ、一人でも抜けた時のダメージは、大企業よりもはるかに大きいのです。「いつ職場に復帰できるかわからない」という場合に、代替人員を採用して補充する形も考えられますが、中小企業の場合、仕事の属人部分が大きく「専務(お母ちゃん)でないとわからん」という処理や対応がかなりあるモノです。どこまでが(引き継ぎ可能な)最小限の業務で、どこからが専務(お母ちゃん)ならではのスペシャル領域なのか?を区切っておく必要もあります。
このように、非常事態を想定すると欠員発生に対する備えは、むしろ中小企業の方が差し迫った問題であると思います。ワーク・ライフ・バランスの直接的な効果は、働き手の安定的かつ持続的(仕事を含めた)生活にあると思いますが、そのことに連動して、組織の安定的かつ持続的な活動にも大いにメリットになるはずです。ワーク・ライフ・バランス推進者の中には、この主客が逆転してるような論調の方もいますが、それはきっと、とりあえず耳を傾けてもらうためなどの戦略的な視点からによるもので、大枠では皆さん同じだと思います。
とりあえず、早朝の講演を終えた後、日中は高山市内を散策。あいにくの雨だし地震直後だし月曜日というコトもあって、人手が少なくゆっくり観光できました(後日アップの予定)。2006年に一度来ているので、今回は前回歩けなかったエリアを重点的にウロウロ。お昼ご飯は、宮川沿いの「コ・シャラシャント」で。いつものようにForesquareにチェックインしてボーッと料理がくるのを待ち、イザ黒カレーを食べ始めると…
「あの〜Foresquareされてますよね?」
と声を掛けられました。
あの時、店内の客は4,5人だったと思いますが、声を掛けてこられたその方もForesquareをされていて、ライブでも同じ場所にいることが確認できたわけです。こんなの初めてでした。知らない土地ですしもちろん初対面なのですが、声を掛け合うハードルがグンと下がって、人とつながるチャンスがものすごく増えるんやなぁ〜と実感しました。
その後、2時過ぎまで町を散策して、ホテルに帰って夜の講演の最終チェック。高山市の第3次男女共同参画基本計画も見ながら内容の確認。結局ギリギリまで作業。そして会場入り。
講師席で開会の挨拶を聞きながら会場を見渡すと…あ!お昼に「コ・シャラシャント」で声を掛けてくれた方が最前列に!営業的には厳しい2月のそれも月末日の夜に、わざわざ今日出会ったばかりの僕の講演を聴きに来てくれはったとは…感激でした。こういうコトがあると俄然力が入ります。超実践的な家事技術が、実は仕事とものすごく関連しているという「ワーク・ライフ・バランス」の実例について、掃除を例に熱弁。いつも以上に汗をかきながら講演しました。
質疑応答で、2番目に手を上げて下さった方。「ずいぶん前に、一宮の近くで講演されましたか?その時も拝見したのですが、ずいぶんと講演が上達してますね」と評価して下さいました。なんだか先生から通信簿をもらった感じがしました。きっと2006年5月の瑞浪市での講演だと思います。あの頃はあの頃で精一杯の講演をしていたつもりですが、今思えば未熟そのものでした。こうやって時間を置いて見て下さった人から「よくなってる」と評価してもらえウレシいです。これからの講演の励みになります!
講演の後、男女共同参画推進懇話会にも参加しました。3世代同居の実情(婿殿<マスオさん>は家事をやる気があっても義母<フネさん>から咎められるなど)などを聞き、「やっぱり各家庭の事情や地域のカラーが反映される部分は大きいなぁ」と実感しました。目指すところは同じでも、そこへの道はそれぞれ違うわけですから、選択肢はたくさんある方がいいと思います。
懇話会の後、主催担当さん達との「和こころ雪屋」(この店はお昼に出会った方の紹介)での懇親会にも参加。23時半のラストオーダーまで飲むという、かなりご機嫌な打ち上げになりました。熱燗のお銚子もそうとう数を空けました。計画の策定に至るまでや講演会開催の経緯や、午前中の幹部会、夜の来場者の内訳や反応や率直な感想など、主催側の話もうかがえ「ガッテン!」もたくさんありました。酒もアテも美味しく、参加皆さんの素顔が垣間見える本当に楽しい時間でした(部長さんサイコー!)。講演の後で泊まりになると、こういう機会があるのがイイです!宴会好きにはタマラン時間でした。
「男女共同参画社会」という言葉はどうも語感が堅くて、わかりにくいし、地域の中にはそれだけで拒否反応を起こしてる部分があるかもしれません。飲み会の席では「男女感謝とおもいやり社会」とでも言い換えると、まだ古い家制度が残っている地方でもスンナリ受け容れてもらえるかもしれないという話も出ました。地方によっては、実情に合わせて言い方を変えてみるというのはアリだと思います。「ワーク・ライフ・バランス」も言い換えを幾通りか考えてみようと思いました。
ホテルまでの帰り道で、基本計画に関わった担当さんから「先生の講演を聴いて、自分たちの計画は間違ってなかったと自信がもてました」と頂きました。「生まれてきてくれてありがとう」にまつわるイイ話もうかがいました。そんな私的な話までしてもらえるくらい打ち解けることができる時間でした。翌日、その方から家族3人分の「さるぼぼ」を頂きました。ありがとうございます。
地震の直後で地震前後独特の遠鳴りが聞こえ、しかも天気もイマイチな高山市でしたが、僕は気分晴れやかに高山駅を発ち、飛騨一ノ宮駅を過ぎた「宮村の大カーブ」を登坂しながら、まさに飛び立たんばかりでした。とっても楽しく、かつ印象に残る高山市での講演でした。
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