母から伝わる固定的性別観

画像のような、いかにも「夏休み!」という空のもと、大阪府島本町の人権啓発施策審議会に参加してきました。今回は、今年5月から6月に町内で行われた「男女共同参画に関する住民意識調査結果」の報告でした。
100ページチョイの報告書をジーッと聞きながら、あれやこれやと思うことがありました。
たくさん気付くところがあった中で、一つ「おおお!」というデータがありました。それは、小中学生へのアンケートで「『男だから○○しなさい!』『女の子なのに※※して!』と言われた経験」から「その時の気持ち」や「誰からそれを言われたのか?」という一連のアンケートです。
「誰からそれを言われたのか?」一番多いのは、小中学生の男女ともに「母」からでした。その項目には、父、学校の先生や近所の人や友達、祖母、祖父、親戚、施設の人などいろんな項目もあるのですが、そのなかでの「母」でした。これは「一番親密に接するから」という分析もできます。ですが、そもそも、母自身にそういう観念があるからこそ、そういうシツケにもつながっていくものです。
性別による固定的な価値観の押しつけというのは、よく女性が男性から押しつけられるという訴えを耳にします。そういう面はもちろん存在します。でも、母という女性からの何気ない、だけど日常に根ざしたところからの刷り込み教育も否定できません。
よく僕が講演で「男性の家事や育児への参画」の話をすると「そんなのは、私たち女性にではなく、男性に向けてして欲しい」というアンケートが書かれていたりします。でも、なんの気なく「あんたは男の子なんやから家事なんかせんと勉強しときなさい」と言ってるお母さん方も少なくないというのが、この結果から見えます。
「私はそんなこと言ってない」という人もいると思いますが、「言われた」と子どもたちが言っているデータなので、やっぱり子どもたちの言う方が信憑性があると言えるでしょう。「セクハラなんてしてない」と男性が言っても、それは被害女性が「された」と言う訴えがまずは尊重されるのと同じだと思います。
もっとも、母親のみんなが「男の子なんやから☆☆しなさい」「女の子は○○やで!」と押しつけてるわけではないのは十分承知しています。そういうことへの意識の高い女性も大勢います。意識の高い男性もいるし、低い男性もいます。ただ、「女性が全員、意識が高いというわけでもない」ということが言いたかっただけです。
そして僕が女性参加者の多い講演会場でも、男性の家事や育児参画を話す意味は、やっぱりあるんやなと確認できたという点です。もっとも意識の低い人は、講演会場に来る意欲も低いと思うので、「ここにいらっしゃる皆さんは大丈夫だと思ういますが、みなさんの周囲の男性だけじゃなく、女性にも、どうぞ働きかけて下さい」という伝え方が一番でしょうね。
- 関連記事
-
- 主夫とひと言でいっても本当に多様
- 男性の家事は被災地だからこそ大切
- 母から伝わる固定的性別観
- 家事はワークか?ワイフか?
- 大人向けの食育が必要だ