家電のイチオシ機能と市場のズレ

電池とiPhone5のアタッチメントを買いに、近所の家電量販店に出かけたら、家電の「新生活応援フェア」をしてました。
画像は、3合炊きの炊飯器。冷蔵庫や洗濯機は小さいものを見ても何にも感じなかったのに、小さな炊飯器を見ると、我が家を巣立った娘の新生活場面が頭に思い浮かび、胸がキューンとなりました。アッという間にその時が来るんでしょうね。
はてさて、こんな小人数世帯向け家電(以下、小家電と略)。僕が大学進学で一人暮らしを始めた時は、サンヨーの「It's」シリーズがこのコーナーを占領していました。リンク先の「It's」は最近のモデルですが、僕の頃は、紺色とグレーが混ざった独特の色合いに、濃い黄色のロゴでした。
今でも、小家電は存在しています。ところが、そのメーカーの上位機種に装備されている機能は、この小家電にはついてないことが多いのです。小家電のほとんどは、基本機能にチョロッと一時代前の機能が付いている程度。小家電=価格安=基本機能という構図のようです。
でも、現在の日本は、一世帯当たりの人数が「一人」に近づく一方です。とくに近年は高齢者にその傾向が見られます。そして、その傾向は、今後も続くと予想できます。ところが、高機能&多機能&新機能装備家電(以下、イチオシ家電と略)は、たいてい3人以上あるいは4人以上世帯用製品についています。つまり、それらイチオシ家電を購入する世帯自体は減ってきているわけで、そのメーカーが頑張って作ったイチオシ家電は、国内では買う人が少なくなってきているのです。
いくらイチオシ家電といえども、2人暮らしの人に4人家族向けの家電を紹介しても、「よし買おう!」という人は多くないと思うんです。若いカップルなら「お子さんが生まれた後でも使えますよ」は通じると思いますが、高齢者の一人暮らしあるいは二人家族にそれは通用しません。そういう層が増えるのは、誰もがわかっていることなのに、未だにイチオシ家電は標準世帯向けサイズ。このズレについて家電メーカーはどう考えているのかな?と思います。
もう数年すると、その時代のイチオシ家電を買い換えて使い続けた世代が高齢者になります。高機能&多機能&新機能を扱い慣れた高齢者。そんな彼らも、少人数世帯だからという理由だけでイマイチ機能の小家電を買わざるを得ないとしたら…これはメーカーにはモッタイナイ市場だと思うんです。
新生活を始める若者達も、期待いっぱいだと思うのですが、「どうやらこれはCMで紹介している新しい機能のない、イマイチ家電らしい」という小家電をみると、ちょっとガッカリすると思うんです(もちろん、家電にお金を掛けてる場合ではないという親の立場もわかりますが)。
ゴチャゴチャしてきた感があるので、最後にまとめます。僕が言いたいことは、小人数世帯向けのイチオシ家電を作ってみてはどうでしょうか?ということです。小型化は簡単ではないと思いますが、小型化こそが、他国には真似の出来ない「日本家電のお家芸」だったのではないでしょうか?小家電にも価格帯の幅をもたせては?ということです。
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