和食が世界無形文化遺産に!

和食が世界無形文化遺産に登録されました。その記念ということではないですが、今夜は「肉じゃが」にしました。
でも待てよ…そもそも日本ではかなり長い間、牛肉を食べる習慣は無かったはず。鶏を除くと、獣の肉を食べる習慣は、あったとしても鹿やイノシシ、ウサギなどで、牛肉は明治に入って少しずつ普及したものだ。
ただ、肉じゃがの味付けに使うのは、醤油やダシ。これは日本のもの。新しい食材も、日本流に加工して普及させる。これは和食の一つのバリエーションと言える。天ぷらもそうだ。もともと揚げるや炒めるという調理法は日本にはなかった。すき焼きも天ぷらもカツ丼も、和食の中ではニューフェイスだ。
食の多様化で和食の存続が危機に…という話も聞くが、どっこいそんなことで和食はなくならない。タラコスパゲティーはともかく、納豆スパゲティーは和食だろう。照り焼きハンバーガーだって和食的アレンジだ。天津飯は中国では(日本で売られているようなものは)食べられないと聞く。カレーライスもラーメンも、オリジナルからはずいぶんと姿も味も変えた国民食=和食になっています。新しいものをヒントに、なんにでも融合できるのが和食の強いところ。
世界文化遺産に登録されたことはいいニュース。でも、だからといって自分達の食べ物をガラッと変える必要もないと思う。なんでもどん欲に取り込んできた先人達の食い意地…いや好奇心と探求心。それらにちょっと思いをはせながら、今日の食卓の多種多様性をありがたく美味しく味わって食べればいいのでは?と思います。
純和風(というわけで、かなり怪しい言葉)の敷居の高い料理だけが和食ではないのです。毎日食べているお惣菜。これも和食です。作り置きしやすいのも和食。味噌汁なんてのは、ステーキにも合うし、マリネにも合うし、炒飯にも合う。いや合う合わないという問題ではなく、合うと感じられる自分がいるのだ。食べるモノあっての人だが、食べる人がいてこその食や食文化でもある。
世界無形文化遺産に登録されたのを機に、「食べずに痩せる!」や「食はサプリで十分」など、食べることへの理解不足や食を単なる栄養摂取と捉えるムードに対しては、なんとか改めたいと考えています。
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