SCANPANスキャンパン 思った以上にイイ!

年末から新しいフライパンを使っています。1ヶ月経ったのでその使用感などを。SCANPAN(スキャンパン)というデンマーク製のいわゆる多層コーティングフライパンです。
築40年のアパート暮らしの時は、中華鍋でなんでも作ってました。大学院に通い始め、ワンルームマンションに移ったら電磁調理器しか使えないキッチンだったので、中華鍋を一度手放しました、結婚して再びガス暮らしになった時に、鉄製のフライパンを買い、それ以降19年間ズッとその鉄製フライパンがメイン。とにかく高温で調理できるので、中華料理などの炒め物には重宝。揚げ物も煮物もそれで料理してました。
途中、娘が料理に興味を持ち始めた頃に、グッチ裕三さん監修の小さなピンクのコーティングフライパン(フライパンダ)を一つ買いました。12年たった今、この小さなフライパンはコーティングがすっかりとれてしまい、ただの小さなフライパンになっています。主に弁当用として余生を過ごしています。
「鉄製のフライパンがあるので他は不要!」と思っていたのですが、後で触れる特徴と「デンマーク製」という珍しさにも興味がわき取り寄せることに。Classicシリーズの26cm蓋付きモデルは、TRY ME!SALE中でもありましたし。

右がスキャンパン。左はこれまで使ってきた鉄製フライパン。同じ26cmなんですが、側面の立ち方が急なので底面が広いです。焼く時には、よりたくさん並べられます。一つ300gの鶏もも肉が3枚ゆっくり並べられます。工夫すれば4枚並べることもできます。

蓋付きモデルの蓋ですが、なかなか難しいのが蓋がピッタリ!状態。ピッタリでまったく問題ありませんでした。この蓋は自分で組み立てるタイプでした。英語表記ながら見てわかる図が入っているので、それを見ながら組み立てます。といっても、その組み合わせ以外ではピッタリ止まらないと思います。
この蓋に関しては、当初、取っ手がカチッと止まらず、少し使うと緩んでしまう状態でした。その件を新聞記事に書き、このブログにも載せたところ、それを見た販売元から連絡があり、簡単な事情説明のやりとりの後、替わりの蓋を送ってくれました。検証したところ、その蓋にのみ起こる問題だったようです。素早く誠実な対応に、製品と販売企業への信頼度もupしました。

焦げ付かない!が売りなので、試しに意地悪な料理をいろいろ。まずは「イキナリ」木綿豆腐を焼いてみます。完全に水切りできていない木綿豆腐は、焼くと焦げ付きやすいですね。ですが焦げ付きなしで、クルッとひっくり返せます。底面に白く豆腐の跡が付いていますが、お箸で持ち上げてひっくり返せるくらいなので問題なしです。
ところで「イキナリ」に、なぜ「」が付いているのか?です。
実は、多層コーティングフライパンの多くは(「すべーる」などのCMでお馴染みのセラフィットやフレーバーストーンも)、使用前の油ならしが必要です(参照:ココやココ)。この油ならしは、鉄製フライパンを長く快適に使うための儀式のようなもの。しかも、油ならしはそれほど簡単ではありません。油ならしを失敗すると、多層フライパンでもしばらくは焦げ付きやすいフライパンになります。せっかく焦げ付かないフライパンを買っても、油ならし作業が必要なら、それは鉄製フライパンでも同じこと。
その点、スキャンパンは油ならし不要。
洗剤で表面を洗うだけ(この作業は鉄製や多層フライパンを問わず、どのフライパンでも必要)。一切、油ならしせずに「イキナリ」木綿豆腐を焼きました。

続いて、焼き餃子。ビッチリくっつけて焼くと、餃子は隣同士でくっ付いてましたが、スキャンパンとはこの通り、ポロッと剥がれるように離れてくれます。

餃子が剥がれたスキャンパンの底はこんな感じ。焦げっぽい物はありますが、調理後、鉄板が熱いうちにお湯で洗えば、簡単に剥がれ落ちます。鉄製フライパンだとゴシゴシこすらないととれない焦げも、「調理後すぐに」洗えて、すぐに次の餃子を焼き始められます。
多層コーティングフライパンの多くは「冷めてから洗って下さい」と注意書きがあります。温められた表面が急に冷えることで、コーティングが剥がれやすくなるからです。ところが、スキャンパンは調理後すぐに洗えます。調理する→洗う→(別の料理を調理する→洗う→)拭き取る→片付けるが、時間を空けずに一連の作業としてできます。「冷めるまで待って洗う」というワンクッションが洗う作業をメンドウにするし、洗ってすぐ他の料理に取りかかれないので「もう一枚フライパンが必要」になります。
「男の料理」の問題点でもある「片付けない」「散らかる」も、一連の動作として洗って片付けるまでが習慣づけされれば、解決できそうです。

目玉焼きももちろん、すべーる♪です。

鰤の照り焼きを煮詰めても、焦げ付かず簡単。焦げ付かないから、洗ってすぐに他の料理に使えます。
スキャンパンいいことだらけ!と言いたいところですが、ここで気になる点を二点ほど。
まずは、鉄製フライパンや他社製品の多層コーティングフライパンに比べると、ほんの少し重たい感じがあります。中華料理系の炒め物を調理するのにフライパンを振る場合は腕力が必要。僕も炒飯などパワフルに振る時は、鉄製フライパンを使っています。側面の立ち方も炒飯には向いてないように思います。オムレツをトントンと寄せたり、ソテー的な使い方はまったく問題なさそうです。この重たさは、その分だけ丈夫!と考えると納得。
もう一つ。スキャンパンの特徴の一つである鉄製の調理器具も使えるに関する点。これは他の多層コーティングフライパンでは見られない特徴。フライ返しなどを使う分にはまったく問題なし。ただし、お好み焼きのコテ(テコ、ヘラ)を立てて、スキャンパンで焼いているお好み焼きをゴリゴリ切り分けると、さすがに傷が入りました。無茶はいけません。
確かに気になる点はありますが、それ以上のメリットが帳消しにしています。多層コーティングフライパンなので、油なし調理ももちろん可能。油は味付けや香り付け程度の最小限でOK。熱伝導率がいいので、揚げ物も油の設定温度が上がる待ち時間が大幅に短縮。環境や健康に悪影響を与えるといわれる、PFOA/PFOSも不使用としていますし。
とはいえ、決してお手頃価格のフライパンではありません。ですが、良い製品を長く使うという質実剛健に共感できるのなら、17,766円(Classicシリーズ-ソテーパン26cm:Sale価格)はモトが取れると思います。焼く、炒める、揚げる、蒸す、煮るに毎日10年間使うと、一日あたり5円弱です。焦げ付かないし、調理後サッと洗えサッと片付きます。あのストレスから解放されるというのは、毎日料理をする人にとって5円以上の価値があると思います。
10年の品質保障があるようですが、20年は使いたいフライパンです。
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